美味しい魚のはなし

2015年4月の記事一覧

ノドグロの煮つけ

 ノドグロは名前の通り、喉の中が黒いんです。
赤い体色でアカムツとも呼ばれています。


高級魚なんですよ!
最近ではテニスの錦織圭選手が帰国時のインタビューで
「ノドグロが食べたい!」
と言って話題になったそうです。

昨日土曜日、所沢の角上魚類にいましたよ!
20センチほどの大きさ、1匹2100円でした!
高いからいつも見るだけです。
でも、昨日は別のコーナーに、
1皿に6匹盛りで350円!!
いやいや、10センチほどのカワイイ奴が6匹ですけど。

どうやって食べると美味しいか、必ず聞いいた方がいいんです。
「煮つけでしょう!」と即答してくれました。

今週末は、ノドグロの煮つけです!
美原町のカミさんの実家に行き、早速下ごしらえです。
小さいから、うろこは手で取れます。残さないように。
自分は、キッチンばさみで腹を開き、ヒレも全部切り落としてしまいます。
内臓だけでなく、血の固まりもきれいに取りましょう。歯ブラシがいいです。
全体をきれいに水洗いしたら、ざっと水切りして
側面に軽く切れ込みを入れておきます。(飾り包丁)


これで下ごしらえは完了です。
煮汁の割合ですが、色々な割合を試しました。
今は一応下のような割合でやっています。
 しょうゆ1
 日本酒2
 水4
これだけです!
しょうゆは薄口しょうゆのいいものがあればそれに変えたいところです。
細く切ったしょうがを少しだけ入れる時もあります。
どうしても甘みを少し付けたい時は、本みりん0.5だけ追加します。
魚の鮮度が良く、旬で旨みたっぷりの時は調味料は最小限でいいんです。
塩水だけで煮込む料理もあるくらいなんです。

きれいに洗ったフライパンを使います。(油の匂いは完全に取って!)
煮汁はひと煮立ちさせたら、中火にして魚を静かに入れます。
煮汁は少ないので、ふたをする前にスプーンで煮汁を魚の上面にかけ回します。
そして、大きめに切ったアルミホイルを落し蓋にして煮込みます。
この落し蓋がポイントで、煮汁が泡立って魚の上面にまわってくるんです。
ここのところ観察してみて下さい。「なるほど」ってうなずけます。
少し火を弱めて様子見ながら約10分待ちましょう。
出来ました!

フライ返しを魚の下に入れて魚全体を支えて皿に盛りつけましょう。
ここを失敗すると魚がぐちゃぐちゃになっちゃいます!
崩さないように盛り付けるだけでもほめられますよ!
一緒に煮たしょうがは魚の上に散らすといいですね。

さあ、今週は美味しく出来たでしょうか?
小さいのに脂も旨みもあって、好評をいただきました!
三人とも喜んで残さず食べてくれたので嬉しかったです。

マサバのポアレ

 今の時期のマサバ、脂まったく無しです!


このサバで、定番の塩焼きなんか作ると、最高にまずいです!
そこで、料理法を考える必要があります。

最近、オリーブ油を使うポアレが好評なので、これでいきましょう。
マサバのポアレです!
三枚おろしにして、血合い骨は抜いておきます。
サバの身は水分が多いので、キッチンペーパーにくるんで一晩以上冷蔵庫で寝かせます。
身が締まったところで、5センチ幅くらいに切り、
軽くクレイジーソルトをまぶします。
フライパンにオリーブオイルをひき、
強めの火加減にして、皮目の方から焼くのは前回のニベの時と同じです。
やはり、フライ返しで押さえつけないとダメです。
さて、次は裏側を焼くのですが、
ここで火を少し弱めて蓋をします。
蒸し焼きにするんですね。
ニベの時はこれをやらなくてもOKだったんですが、
今回は火が中まで通らないことが分かりました。
サバの鮮度がすごく良ければレア風でもいいんですが、
これで食卓に出したら間違いなくクレームがきます。
3分くらい蒸し焼きにしましょう。
そのあと蓋を取って水分を飛ばして出来上がりです!
身が固くなったら美味しさ半減ですから、加熱しすぎないように。
「おいしい! ばっちり!」と言ってもらえたので、成功ですね!

にべもない?

親しかった人などに無愛想で相手にされなかったりすると、
「にべもない」態度だったなどと言います。

この「にべ」は魚の「ニベ」なんです。
「ニベ」の浮き袋は粘着力が強く、「にかわ」という接着剤に加工されていました。
化学接着剤があらわれるまで、薬用や工業用にも使われたんだそうです!
「ニベ」は接着剤に使われるほどだから、
ベタベタして、取りつくしまがある、接点としてつながりあるというニュアンスから、
「ニベ」は愛敬とか愛想といった意味の言葉になりました。
逆に、「ニベ」がないとくっつかないから、
どこか親密性がなく冷淡だとか、愛想がなく思いやりがないということを、
「にべもない」と言うようになった、という訳です。
面白いですね!

ニベのポアレ

ニベは「イシモチ」「シログチ」と呼ばれている魚と同類です。
店頭で良く見かける白身の魚ですが、
釣りたてを刺身にすると、漁師さんも認める最上級の味らしいです!


でも、普段手に入るものじゃあ、刺身にはなりません・・・

そこで、ポアレにしてみました。
三枚におろし、血合い骨を抜き、皮はそのまま。
これをキッチンペーパーにくるんでしばらく冷蔵庫に。
水分が抜けたところで、一口大に切り、
クレイジーソルト(ペッパー入りの粗塩です)を振ります。
フライパンにオリーブオイルをひき、
やや強めの火加減にして、皮目の方から焼きます。
身が強く反り返りますから、フライ返しで押さえつけます。
少し長めに焼きます。
きつね色になったら、次は裏返して反対側を焼きます。
身があまり固くならないように。
これで出来上がりです!

カミさんの実家で食べてもらったんですが、これが結構好評でした!
次はサバのポアレを試してみます。